座頭を引き上げて上がった身上
どんな伝承か
昔、ある家に座頭の坊が夕方に来て泊めてもらった。何か手伝おうと遠い井戸まで水汲みに行き、誤って井戸の中へ落ちてしまう。家の者が縄で引き上げるとき、坊は「自分の言うとおりに『しんしょ』と言ってくれ」と頼み、上で「しんしょ」と言うたびに下から「あがるようだ」と応じた。翌朝、坊は姿を消し、寝床の真ん中に大金が残されていて、その家は身上が上がった。話を聞いた隣の家は座頭を井戸へ突き落として同じことをさせたが、「下がるようだ」と応じられ、飯ばかり食われて身上を下げてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史・自治体史(民俗))
『船引町史 民俗編』第十一章所収の昔話と伝説。福島県船引町(現田村市)に伝わる口承を採録する。