石沢の市場に祀られた市神の石
どんな伝承か
田村郡船引町の大字石沢字町の東端に市神があったというが、今はその跡がはっきりしていない。昔、石沢がもっとも開けていた頃には戸数が二百戸にも達し、一時は大きな市街をなして市場を立てたという。その際に祀った神が市神で、その石は今では舘の上り道にあるものだと伝えられている。市の賑わいそのものは失われ、神を祀ったという石の在りかについての言い伝えだけが残されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史)
『船引町史 民俗編――昔話と伝説』は、船引町が編んだ町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。昭和五十三年春から町内を回って集めた昔話を話者の名を添えて土地の言葉のまま載せ、坂上田村麻呂や安倍貞任にまつわる地名・社寺の由来など町内の伝説を併せて記す。第一節では語り収めの句、葉煙草ののし作業を語りの座とした伝承の環境、語り手の系譜を論じ、第二節では伝説を自然・歴史・宗教の三つに分けて紹介する。