安倍貞任が奇瑞を感じた貞任山の文殊
どんな伝承か
田村郡船引町の大字文珠の貞任山の頂に、安倍文殊菩薩が安置されている。この山は老樹が茂って眺めも大変よかったので、後冷泉天皇の時代の天喜元年、安倍貞任が巡視した際に奇瑞を感じ、それまで自ら崇拝してきた紫金銅三寸の大聖文殊菩薩像をここに安置したという。左右には北斗妙見と摩利支天を脇座させ、子孫長久の祈願を込めたと伝えられる。そして山を貞任山と号し、寺を観竜寺と称して安倍文殊と崇めた。三春城主秋田氏は祖先ゆかりの堂社として祭典に藩士を代参させ、厨子一基を寄進したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史・自治体史(民俗))
『船引町史 民俗編』第十一章所収の昔話と伝説。福島県船引町(現田村市)に伝わる口承を採録する。