虚空蔵の郷社ゆえウナギを食わぬ町
どんな伝承か
田尻町からの問いとして、次のような相談が寄せられた。町には郷社として虚空蔵菩薩様が祀られているので、町民はウナギを食うべからずとされ、田尻川のウナギも絶対に獲らない。また丑寅生れの人も、虚空蔵様は守り本尊だからウナギを食べない。自分も食べたことはないが、もしこれを犯すと神の罰や仏のお咎めがあるものだろうか、というのである。回答者の日野壽一は、虚空蔵は不動・文珠・大日・薬師・地蔵・普賢・観音などと同じく釈迦が考え出した架空の理想的人格であり、昔インドに虚空蔵という肉身の人間が生存していたのではないと説いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(文部省迷信調査協議会・日本の俗信・昭和(1949-52))
文部省迷信調査協議会『日本の俗信2―俗信と迷信』(昭和24-27年)。シリーズ第二巻で、迷信の理論的考察と各論を収める。