乳が出ると伝わる牛乳山の乳石
どんな伝承か
御霊社は深内の西外れの山にあり、その山を牛乳山と呼ぶ。ここに乳石大明神が祀られている。ご神体の乳石は、高さ一・二メートル、厚さ一メートル、幅九十センチほどの中がくぼんだ石で、東参道の中ほどにある。乳の出ない女が竹筒二本に入れて参り、一本をこの石に捧げ、もう一本を遊びに来ている子供たちに与えると乳が出るようになるという言い伝えで名高く、昔は何里も離れた村々からも参詣があったという。乳石の近くには大正年代に作られた円柱状の男根碑があり、抱き付き柱とも称えて、子のない女がこれに抱きついて祈れば子宝が授かるといわれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鏡石町史 第4巻 民俗編
『鏡石町史 第4巻 民俗編』は、鏡石町の町史のうち民俗を扱う巻である。第十一章「昔話と伝説」では、笠石・細谷・成田・久来石などのムラに伝わる木や坂・峠・祠堂・石にまつわる伝説を集め、伐ろうとした者が病んだ愛宕様の楓、鼻取り地蔵、和田平太胤長の妻にちなむ化粧が原などの由来を記す。伝説は木の部・坂峠山の部・由来譚・祠堂の部・石岩の部に分けて番号を付し、各話の末尾に話者名か『白河風土記』などの典拠を添える。