伐れば病む愛宕様の大楓
どんな伝承か
笠石新田村の愛宕様の祠のわきに大楓がある。共有地を処分するとき、この楓も競売にかけられた。ところが買い取った人がこの木を伐ろうとしたところ、病気になってしまった。村の人々は、あれは愛宕様の木だ、それを伐ろうとしたから病気になったのだと噂した。噂は買った人の耳にも入り、その人は楓を別の人に売ろうとしたが、買おうという者は一人も現れなかった。そのため愛宕様だけは今も誰も手を付けず、楓と、残っている石だけはそのままになっているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鏡石町史 第4巻 民俗編
『鏡石町史 第4巻 民俗編』は、鏡石町の町史のうち民俗を扱う巻である。第十一章「昔話と伝説」では、笠石・細谷・成田・久来石などのムラに伝わる木や坂・峠・祠堂・石にまつわる伝説を集め、伐ろうとした者が病んだ愛宕様の楓、鼻取り地蔵、和田平太胤長の妻にちなむ化粧が原などの由来を記す。伝説は木の部・坂峠山の部・由来譚・祠堂の部・石岩の部に分けて番号を付し、各話の末尾に話者名か『白河風土記』などの典拠を添える。