夢の大将を引き込むと兜だった兜の姓
どんな伝承か
水落町には兜という珍しい姓がある。その家の先祖はある晩、明日の朝に馬に乗った立派な大将が家の前を通るから、必ず家の中へ連れ込め、そうすれば家は大いに栄えるという夢を見た。半信半疑で翌朝待っていると、夢のとおり大将が馬で駆けて来たが、飛びつこうとして取り逃がしてしまった。その夜また同じ夢を見たので、今度こそと命がけで飛びついて家の中へ引きずり込むと、それは立派な兜だったという。それから姓を兜と改めたといい、今も水落には兜家という屋号の家がある。
原典より
水落町に兜(かぶと)という姓がある。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。