器用すぎて殺された権太郎と地蔵
どんな伝承か
川島の小柳茂太夫の家の前に池があり、そこに権太郎という男が住んでいた。幼いころから手先が器用で、成人すると四十八手の金輪切りというからくりを考え出して村人を驚かせた。村人は権太郎のからくりを楽しみにし、旅に出ているときは帰るまで祭りを延ばして待つほどだった。うわさを聞いた領主が呼び出して演じさせると、見事な出来に感心しながらも、これほど器用な者を生かしておけば何をするかわからないと考えて殺してしまった。村人は死を惜しんで地蔵を祀ったが、その前へ青首の入った桶が山から転がってきたことから権太郎箱の名が起こり、あたりは気味の悪い所として恐れられている。墓は専立寺にある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。