まま子いじめ(釣鐘の人柱)
どんな伝承か
ある家で三人の娘を残して母親が死に、後妻を迎えた。後妻ははじめ娘たちを可愛がったが、自分の子ができると邪険になり、娘たちを家から追い出そうとばかり考えるようになった。そこへ檀家寺の和尚が、釣鐘を作ろうとしても何度やってもうまく合わず、人柱が要るのではないかと言って回ってきた。後妻は幸いとばかり、寄進の代わりに三人の娘を差し上げると言い、嫌がる娘を寺へやってしまった。娘たちは煮え立つ湯の中へ投げ込まれ、鐘は一度で仕上がった。ところが吊るした鐘には三人の子がしがみつく姿が浮き彫りになっており、朝夕つくたびにその姿が恨めしそうに震えるという。
原典より
ある家で、三人の娘を残して、母親が死んでしもうたもんで、後妻を貰うたと。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史)
『鹿島町史 通史・民俗編――伝説』は、鹿島町の町史通史・民俗編のうち、昔話と伝説の節と、続く「俗信と俚諺」の冒頭を収めたものである。石動山麓と邑知地溝帯の集落で聞いた話を、芋掘り権兵衛や屁売りじいさなどの昔話、亀塚や椀貸穴などの自然伝説、初瀬の観音様や井田の不動滝の信仰伝説、久江の道閑や村境を決めた話の歴史伝説に分け、在所名を添えて載せる。伝承の状況や語り始めと結びを述べた解説を前に置く。