網を教えて消えた磯の老女
どんな伝承か
いつのころのことか、この磯に粗末な庵を結んで、年老いた女が住んでいた。朝も夕も麻をつむいで糸を縒り、網を結ぶわざを浦の人々に教えたので、島の人々はもっぱら漁を生業とするようになったという。この老女は向かいの島に弁財天の祠を建てて常に敬い祀っていたが、やがてその老いた姿は影のように消え失せてしまった。姥が祀った神をここに遷して姨神と呼ぶとも、また功のあった姥の御霊を神として斎き祀り姨神と申すとも語り伝えるが、今は折居明神と崇め奉っているという。浦の子らは、おりん堂と呼んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第1巻』所収の「文化叙事伝説」48話(北海道・青森)を収める。各話は伝承地を市町村〜字レベルまで明記し、例話・類話・文献を備える。