せんだん栗毛と姫の白神様
どんな伝承か
おしら祭文の類話。殿様の秘蔵の馬せんだん栗毛が、一人娘の姫に恋わずらいをして餌も食べなくなった。神官の見立てを聞いた殿様は、畜生ながら家内の者だからと最後の対面をさせたうえで、馬を奥山の桑の木林に捨てさせた。翌年の三月二十五日、姫が見舞いに行くと、にわかに雨風が起こり、天から下りた馬の皮が姫を包んで昇っていった。のちに庭に白い虫十二匹と青い虫十二匹が下り、神官は姫と馬が夫婦となって天の神に現れたのだと告げた。桑の木を切って神と祭ったのが十六天の白神様だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。