書き直された沼の主の使い状
どんな伝承か
馬に乗った沼の主が現れ、奥のかげささ島沼に住む兄弟のもとへ手紙を届けてくれと頼んだ。頼まれた人は承知して出かけたが、道中、沼の主ほどの霊力のある者がわざわざ手紙で音信することや、自分が乗っている馬で行けばよいはずだということが不審に思えてきて、手紙を開いて読んだ。するとこの男はうまそうだから食べてくれと書いてある。恐ろしくなって逃げようとしたが、一計を案じて、この男は良い人物なので褒美をやってくれと書き直した。相手の主は金の挽き臼を土産にくれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。