人身御供に代わった托鉢僧と青竜
どんな伝承か
昔、広渕寺の傍らを流れる玉造川は渕をなして何キロとなく深かった。ここに大青竜が棲み、疫病を流行らせるとされ、これを防ぐには辰年辰月辰日辰の刻生まれの処女を人身御供に捧げねばならぬと信じられていた。ある年、白羽の矢が立った少女が渕へ投げ入れられようとしたとき、通りかかった托鉢僧が身代わりを申し出て白木の棺に入り、呪文を唱えた。生臭い風とともに大青竜が現れ棺を巻き込もうとしたが、僧は鋼鉄の如意で眉間を打ち割り、竜は倒れた。以後は疫病も止み、青竜山の山号は竜の霊を祀るためだという。
原典より
昔、広渕寺の傍らを流れた玉造川(江合川)は、渕をなして、何キロとなく深かった。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。