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八軒小路の虎毛猫が語った浄瑠璃

所在地宮城県登米市米山町西野八軒小路
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典日本伝説大系 第2巻

どんな伝承か

登米郡米山町の米岡、この地が遠田郡西野村米岡宿と呼ばれていたころの話である。八軒小路のある家に、年老いた大きな虎毛の猫が飼われていた。近くの家に旅芸人が来てお国浄瑠璃があった晩、家の者は耳の遠い老婆を留守番に残して出かけた。夜も更けたころ、縁の下から虎毛猫が出てきて喉を鳴らし、隣で聞いてきた浄瑠璃を語って聞かせようという。薄気味悪くはあったが退屈なので頼むと、猫は他人に告げたら喰い殺すぞと念を押し、腹を三味線がわりに掻き鳴らして義経千本桜の一節を語った。翌朝、老婆がうっかり、ゆうべ猫が、と口にすると、猫は喉もとへ飛びかかり、騒ぐ人々をよそに門口のサイカチの古木へ駆け上って、小牛ほどの姿になり黒い風に乗って天へ昇ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。

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