あぐりこと呼ばれる元稲田の雌狐
どんな伝承か
杉宮の元稲田稲荷神社は、あぐりこさまとも呼ばれる。社の神の使者である雌狐の名によるもので、あぐりことは、もう呆れてしまったという意味であり、生む子が雌ばかりで呆れたのでこの名がついたという。男子を授かりたい時は、この社に詣でてアグリコアグリコと唱えればよいとされた。あぐりこは狐の女王で、多くの狐を使い、畑を荒らす鼠を退治して百姓を助けた。幡野の山伏福泉坊が、元稲田の鳥居の前で昼寝をする狐の耳もとで法螺貝を吹いて驚かしたところ、再び鳥居の前まで来ると急に真暗になり、火の中から白い着物の老婆が現われて襲いかかった。腰を抜かした福泉坊は百姓に負われて送られたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。