流された神実と米郷の小祠
どんな伝承か
昔、会津米沢の市嶋氏に一人の娘があり、越後弥彦の漁家に移り住んだ。娘は稚児を可愛がったので、ある日、漁家が子を預けて漁に出た。黄昏に帰ると家は静まりかえり、探すと稚児は血を吸い取られて死んでおり、娘の姿はどこにも見えなかった。漁家は常に信仰していた神祠が変事を告げなかったことに憤り、神実を引き出して舟に乗せ流した。神実は佐渡国二見村大字米郷に漂着し、村の嘉十郎ほか五名に見つけられて小祠に祀られた。霊験があらわれたので東野村の武右衛門が請い受けて的場に安置し、のちに今の地へ遷したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。