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鏡を落として沈んだ朝日姫

所在地茨城県常陸大宮市下岩瀬(鏡ヶ池)
年代伝承(口承)
登場朝日姫、八幡太郎義家、了誉上人、長者の屋敷を攻め滅ぼした武将、朝日姫の霊を弔った瓜連常福寺の僧
出典日本伝説大系 第4巻

どんな伝承か

薬谷に万石長者と呼ばれる金持ちが住み、金銀も土地も多く贅を尽くしていた。奥州征伐へ向かう八幡太郎義家が泊まると長者は手厚くもてなしたが、義家はその豪奢に驚き、これほどの富を抱えては朝廷に叛くかもしれないと考えて引き返し、五十人の兵で屋敷を攻め、長者以下一人残らず焼き滅ぼした。娘の朝日姫は姥の計らいで難を逃れ、八年後、家の再興を下岩瀬の春日神社に百か日祈願した。満願の朝、境内の沼のほとりの松に鏡を掛けて化粧していると鏡を落とし、拾おうとして深みにはまり亡くなった。のちに沼から怪しい光が立ち、瓜連の常福寺の了誉上人が霊を弔って鎮めた。やがて鏡を背に載せた亀が見つかり、この沼を鏡ヶ池と呼ぶという。

原典より

<柳田 「借池」「姿見の池」>○伝承地 茨城県那珂郡大宮町 昔、薬谷(久慈郡金砂郷村久米)に万石長者という金持ちの長者が住んでいた。—— 日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。

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