三杵が飛んだ吼木山の桜
どんな伝承か
真言宗高野派の法住寺は春日野にある。弘法大師は唐で慧果阿闍梨の衣鉢を受け、宗祖伝来の三杵を授かった。帰朝の際、由緒ある品を異国の者に持ち去られまいと唐の僧たちが海岸まで追ってきたので、密教有縁の地で待てと東の空へ三杵を投げた。五鈷は宝立町吼木山上の桜に、三鈷は高野山の松に、独鈷は佐渡の蓮華峰寺の木に懸かったという。のち大師は法華経を誦する声に導かれ、見付島の見える浜へ着いた。上陸した地を着島、通った道をあがりの小路、渡った橋を元橋、足を洗った井を足洗いの井と呼ぶ。白山妙理大権現の化身という翁が吼木山上へ案内したとも伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。