盲法師の恩が結んだ寿福院の縁
どんな伝承か
美濃の盲目の法師が都へ上る途中、岐阜あたりの髪結所に金銀を置き忘れた。主人は追いかけて返し、法師が礼にその金を譲ろうとしても受け取らず、都へ上らせた。願を遂げて戻ると主人は病で世を去り、寄る辺のない娘だけが残されていた。法師は娘を引き取ったが二年ほどで亡くなり、友の医師小幡式部が養女とした。式部の弟は能登国徳田村森山の安養寺に住んでおり、式部は娘を連れて身を寄せる。天正のころ、国守利家が国をめぐって徳田村に泊まった折、娘が湯殿の世話に上がって寵愛を受け、身ごもった。式部は娘を伴い能登部へ移ってそこで男児が生まれ、滝谷の妙成寺の住僧が取り次いで、子は猿千代と名付けられ利長の子とされたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。