空印寺に残る八百比丘尼の窟
どんな伝承か
『若狭国伝記』の伝える八百比丘尼の窟の話。この窟は空印寺にある。昔、小浜の人十人ばかりが舟で沖へ出たところ、にわかに風浪が起こって漂流し、思いがけず一つの島に着いた。上がってみると金の楼門があり、扉を叩くと衣冠の人が出て、主人が客として席に招いた。玉と金で飾られた家で饗応を受けたが、供された膳には人の肉のようなものがあり、みな恐れて食べなかった。風がおさまって帰郷したのち、一人が袖に入れて持ち帰ったその肉を女子が食べ、以後、病もなく八百歳を保ったので八百比丘尼と呼ばれた。島は蓬萊、肉は人魚であろうと言われたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。