人魚の牙で作られたパイプ
どんな伝承か
山口県萩市の大島に住む山野久吉は、人魚の実在を裏づける唯一の証拠品を持っていると語られている。それは人魚の牙を削って作ったパイプで、復員するとき石鹸の中に隠して持ち帰ったものだという。本書はこれに先立って、南方の浜で人魚とも怪魚ともつかぬ生き物が獲れ、運ばれてきた肉を食べたという元兵士たちの証言を並べており、その締めくくりとして山野の持つパイプを挙げている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。