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霧の峠で二度行き違った白足袋の女

所在地山口県萩市
年代不明
登場乃木希典、心霊研究者、幽霊の体験者、体験者・語り手(原典表記は乃木大将)
出典幽霊は語る

どんな伝承か

学習院長だった乃木大将が、生徒に請われて語った話である。幽霊は今でこそ怖くないが、少年のころは臆病だった。十五、六の、まだ長門の萩にいたころ、急な用で七、八里離れた所へ使いに出され、その帰りに山道をたどって峠にかかったのは丑満どきだった。濃い霧が下りて足元も見えず、探り足で進むと、五、六尺先に蛇の目傘をさし白足袋をはいた女がぬっと現れた。傘で上半身を隠したまま行き違うと、ふっと消えた。恐ろしくなって足を速めると、また同じように現れ、行き違ってまた消えた。あれが何だったのか今も分からないという。

原典より

* 客に縋る娼妓の幽靈* 火を起し湯を沸す幽靈* 行司の見た幽靈* 新俳優の見た幽靈* 貞女の幽霊と勝四郎* 三人見た白い手の幽靈* 他女の體に宿る幽靈* 伯母の幽霊が暇乞* 幽霊の髪…—— 幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年))

『幽霊は語る』は、梶天真が昭和十三年に編んだ幽霊譚と幽霊論の集成である。葬送の習俗や海外の霊魂観から説く幽霊思想、幻覚や網膜の作用による幽霊の説明、乃木大将や許斐大尉の見た幽霊などの実話、古典や伝説に現れる男女の幽霊・怨霊・生霊、幽霊写真、化物屋敷、霊界通信を集める。三篇に分かれ、第二篇は幽霊を男女・怨霊・生霊・小児の見た幽霊・食物に縁ある幽霊・前知らせなど八項に分類し、巻末を夕張と筑前の幽霊問答で結ぶ。

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幽霊研究第二 女性の幽靈蛇の目傘

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