橋本健が解いた大刈峠の光と地形
どんな伝承か
招霊ののち萩市に戻った一行は、東京から駆けつけた電子工学の専門家で日本心霊科学協会の評議員でもある橋本健氏と、三たび大刈峠の現場へ出かけた。十五日の午前零時過ぎ、満月の光が峠を照らすなか、橋本氏は現場の前後約二キロの国道を歩いて調べた。短い区間で気温が二十六度から三十度超まで変わり、樹木に覆われた暗い所ほど冷えるのは地形のためだという。カーブが多く対向車や後続車の光が思わぬ方向に現れること、計器の明かりで窓に映った自分の顔を女の顔と見誤りうることを挙げ、氏は光と地形のいたずらと錯覚だと分析した。
原典より
車の窓ガラスに人の顔がうつったというのは、やはり運転者の錯覚によるものでしょう。—— お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、長崎の宅島夫人の霊視、和漢の古書に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。