丹波へ通じる空印寺の洞穴
どんな伝承か
『諸国里人談』は、若狭国小浜の空印寺が八百比丘尼の住んだ所だと記す。寺には御影があり、かたわらの洞穴は奥がどこまで続くか分からない。土地の人の話では、この寺の五、六代前の住僧が奥を測ろうとして穴に入り、三日を経て丹波の山中に出たという。昔ここに女僧が住み、齢は八百歳でありながら容貌は十五、六の若く美しい姿であったので八百比丘尼と称したと伝える。里の言い伝えでは、この女僧は人魚を食べたために長寿になったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。