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大峰山へ飛んだ長福寺の鐘

所在地静岡県掛川市本郷(長福寺)
年代伝承(口承)
登場役行者、門番が信仰した行者
出典日本伝説大系 第7巻

どんな伝承か

昔、この寺の門前に貧しい門番が住んでいた。役の行者を深く信仰し、毎年欠かさず大和の大峰山に登って修行するのを唯一の楽しみとしていたが、旅費はいつも長福寺の住職に借りていた。その年、慈悲深かった先住は亡くなっており、後住はそっけなく断った。門番が泣き明かした翌朝、鐘撞堂の鐘が消えたと村中が騒ぎになる。住職は「貸す金があるものか、持てるならあの鐘を持っていけ」と言った己の言葉を思い出し、門番に詫びて旅費を与え自らも同行した。大峰山に登ると、鐘は山上の岩間の松の枝にかかっていた。住職は邪念を捨てて修行し立派な僧になったが、長福寺ではその後何度鐘を鋳てもひびが入り、完全にできあがったことはないという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。

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