姫が身を投げた明大寺の浄瑠璃渕
どんな伝承か
承安四年春、源氏の御曹子牛若丸は鞍馬の山を下り、金売り吉次とともに奥州の藤原秀衡のもとへ旅立った。美濃青墓の宿で大盗熊坂長範に襲われたがこれを倒し、熱田大宮司藤原季範の屋敷で元服して源九郎義経と改めた。さらに東へ進み、三河矢作の里の兼高長者の家に滞在する。長者の一人娘浄瑠璃姫と義経は相思の仲になるが、義経は母常盤御前ゆずりの薄墨の笛を形見に渡して奥州へ発つ。姫はあとを追おうとしたが、菅生川(男川)のほとりまで来たとき疲れと悲しみでこの川に身を投げた。その場所を浄瑠璃渕といい、今の明大寺町にある成就院の裏手とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。