獅子舞を願い出た下合歓木村の百年祭
どんな伝承か
安政四年四月、碧海郡下合歓木村では、村に祀る御鍬神の勧請から百年を祝う「百ヶ年之祭礼」を行うため、獅子舞と手踊りを催す許しを願い出た。その願書は『巳日記』という記録に残されている。逆算すると御鍬神が村に迎えられたのは宝暦七年ごろになるが、その前後に御鍬祭が流行した形跡は見当たらない。そのため著者は、明和四年から慶応三年へと続く御鍬百年祭とは周期の異なる祭だった可能性を指摘している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。