足あとを雪が隠した是安の節分
どんな伝承か
是安に正直で貧しい婆さんがいた。節分だというのに何ひとつ支度ができず、家にこもっていたところ、お大師さんが訪ねて来て、あそこの稲木から稲を取ってきて団子にしろと言う。婆さんが、自分は足が悪いので出かければすぐに知れてしまうと断ると、困らないようにしてやると答えた。朝起きてみると雪が積もっており、盗んだ稲で団子をこしらえてお大師さんに食べてもらった、その足あとはすっかり隠れていた。今でも節分になると、少しでも雪が降るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。