船木の老婆の足跡を消した一夜の雪
どんな伝承か
十一月二十三日の夕暮れ、お大師さんが船木のある家に宿を借りた。その家には老婆が一人で住んでおり、出せる食べ物が何もなかった。お大師さんは、稲木にかけてある稲を取ってきて食べさせてほしいと頼む。老婆は、自分は摺粉木の足なので出かければ足跡ですぐに知れてしまう、だから行けないと答えた。すると大師は、あとは自分が引き受けるから行ってこいと言う。その晩のうちに雪が降り、老婆の足跡は隠された。翌朝、老婆は団子をこしらえて食べてもらったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。