雪が隠した摺粉木の足跡
どんな伝承か
五箇では、旧暦十一月二十四日に降る雪を摺粉木隠しと呼び、その日は家々で御馳走をこしらえたという。日ごろから弘法大師を信じていた貧しい男が、雪の日に隣の稲木から稲穂を抜き取った。男の足は摺粉木のような形で、雪の上に残る跡から盗みがすぐ知れてしまう。それを哀れんだ大師が雪を降らせ、足跡を覆い隠して男を助けたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。