説法に救われ鱗を残した梓原の大蛇
どんな伝承か
枚方の南、淀川堤の京街道に近く、淵埋山光善寺という古刹がある。この地はもと梓原深淵といって底なしの大きな沼で、淵には千年を経た大蛇が棲んでいたという。越前の吉崎御坊を出た蓮如上人が薦原の里、今の出口のあたりに来て、路傍の石に腰を掛け里人を集めて日々説法していると、ある日この深淵の大蛇が一人の美人に化けて里人に交じり、しきりに説法を聴いていた。やがてその功徳に感じ、梓原の池を上人に献じて昇天したという。上人は池を埋めて光善寺を建てた。淵埋山の名はこれによる。境内の池は今も龍女の池と呼ばれ、池のほとりの松の下の蛇塔は、大蛇が残した金色の巨鱗三枚を上人が埋めて建てた碑だと伝える。
原典より
<高木「佐藤が池」>枚方町の南十二丁、淀川堤の京街道に近く淵埋山光善寺といふ古刹があります。—— 日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。