雪に残る一本足の足跡と果ての二十日
どんな伝承か
吉野郡十津川村の今西では、奥へ入る道の雪の上に、七つ八つの子ほどの片足だけの足跡が続いているのが見つかり、一本ダタラの仕業だと恐れられたことがある。神納川と野迫川の境の伯母子峠にも同じ怪の伝えがあり、果無にもいて、足は一本、目は皿のようだったという。ふだんは人を害さないが、旧暦十二月二十日のハテノハツカだけは人を食うといい、その日は誰も道を通らなかった。玉置山ではヒトクサイという化物に追われた者が狼にかくまわれて助かったといい、この化物も一本足だと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。