石の家を築いた大男ドンドラジイ
どんな伝承か
志摩の志島では、波根坂神社の隣にドンドラジイという大男が住んでいたと伝える。千人力の持ち主で、海岸にある二、三百貫もある大石を次々に投げ上げ、村の中に大きな石の家を築いた。そして「そのうち火の雨が降るから、みなこの中へ隠れる用意をしておけ」と教えたので、村人は慌てず逃れて助かったという。もっとも大男は怒ることもあり、人が集まっている所へ大石を投げ入れ、三、四人が押しつぶされて死んだこともあった。百年ほど前まではその子孫が住み、浜のとがり石を口にくわえて揺り動かして遊んでいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。