夢の壺で栄え贅沢で絶えた長者屋敷
どんな伝承か
笠間から初瀬へ向かう道の途中に、長者屋敷と呼ばれる場所がある。むかしここに貧しい男が住んでいた。ある夜、荒れ地の隅にたくさんの金を詰めた壺が埋まっているという夢を見る。目覚めてから掘り返してみると、夢のとおりに壺が出てきた。男は一躍百万長者となったが、その子孫は富の由来を知らぬまま贅沢に溺れ、ついに家は絶えてしまった。屋敷のあった場所は、もとの荒れ地に戻ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。