高鉢山の石に残る子の足跡
どんな伝承か
明神が三歳の子か三つ子かはわからないが、その子を背負って高鉢山に腰をおろし、子もおろして休まれた。自分もこんな美しい眺めの所に住みたいと思ったが、住むには扇の高さほど足りないと嘆かれたという。あまりに長く休んだので、石の上に足跡がついた。子どもの頃はその足跡がはっきり見えたが、何十年もたった今ではその石の姿もない。足跡は一つだったから三つ子ではなく三歳児だったのだろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。