八百杉の根元で眠る大蛇
どんな伝承か
玉若酢命神社の随神門をくぐった右手に、高さ三十メートルにおよぶ大杉が立つ。八百杉とも総社杉とも呼ばれる。若狭から来た比丘尼が人魚の肉を食べたと語り、この社に参ったのち、後の世への形見として植えたものだという。八百年たてばまた訪れようと言い残したことから、尼は八百比丘尼、杉は八百杉と呼ばれるようになった。杉の根元の洞には小蛇が住みつき、とぐろを巻いたまま育ちすぎて出られなくなった。風のない暖かい日には大蛇のいびきが聞こえ、近づくとやむという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。