谷の屋敷の若宮と殺された神子
どんな伝承か
『宇和旧記』の記事。吉田町立間の谷の屋敷という所に若宮の社が一つある。これも立間尻浦の百姓惣兵衛の五代前の先祖の時、どこからともなく神子が一人来て宿を頼んだが貸さず、神子はやむなく野辺に伏した。そこを何者かが殺害した。その後、神子は惣兵衛の先祖に恨みを抱いて祟りをなし、凌ぎ難くなったので小さな祠を建てて崇敬し、今も九月五日に祭礼を行うという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。