ふじ猫と火車の賭け
どんな伝承か
庵坊さんがふじという猫を十五年飼ううち、猫は魔性のものになったとして暇を出された。猫は、庄屋の婆が死んだらその死体を盗むから、寺の住職と賭けをするように言う。庄屋の婆の葬式で、死体があるかないかの賭けをし、庵坊さんは無いほうに賭けた。棺を開けると果たして死体は消えていた。庵坊さんが庭に出て念仏を唱えると、火車が天から降りてきて死骸を棺桶に戻した。これによって寺は庵坊さんのものとなり、猫の名にちなんで藤井寺と呼ばれるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。