百襲姫の足に食いつき結界された鯰
どんな伝承か
大川郡大内町の話。水主神社の祭神である百襲姫命が、宮居の地を定めるため郡内を巡っていたとき、旧五月の炎天の下、西村の保田池のほとりで休み、疲れた足を池で冷やしていた。すると鯰が現れて姫の足に食いついた。驚いた姫が足で蹴ると池の堤が切れて水が流れ出し、流岡ができたという。鯰は結界されて大内郡内には住まなくなったと伝わる。また、鯰という皮膚病にかかったときは、鯰の絵を描いて水主神社に祈願すると不思議に治るといわれている。
原典より
水主神社の祭神百襲姫命が、宮居の地を定めるため郡内を回られたとき、たまたま旧五月の炎天下、しばらく休息をと、西村の保田池のほとりで休まれ、疲れた足を池で冷やしておられると、鯰が出て来て姫の足に食いついた。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。