ヤノ塚の口で願う膳椀の貸し借り
どんな伝承か
『阿波の落穂』弐の巻が伝える阿波郡西林村の話。村にヤノ塚と呼ぶ塚がある。里人の言うところでは、昔は家に客がある時など、膳椀を何十人前明日貸してほしいと塚穴の口で願っておくと、翌日そこへ行けば頼んだだけの器が出してあった。用が済めば元の穴へ戻しておく決まりだったという。ところがある時、いつものように借りた器の中に壊れたものがあり、その断りも入れないまま返してしまった。それからは、いくら願っても貸してくれなくなったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。