十七で投身した遊女采女の塚
どんな伝承か
台東区の橋場に、采女塚と呼ばれる塚がある。寛永のころ、新吉原の雁金屋に抱えられていた采女という遊女が、十七歳で身を投げて死んだ。その采女を葬った塚だと伝えられている。原典が記すのはこれだけで、なぜ投身したのか、誰が塚を築いたのかまでは書かれていない。塚の名だけが女の名を今に留めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。