猪が運んだ和気清麿と足立山
どんな伝承か
称徳天皇のころ、道鏡の野望を宇佐八幡の神託で退けた和気清麿は、怒った道鏡に足を傷つけられ、大隅国へ流されることになった。道中で宇佐八幡宮に立ち寄ると、北二十里の山裾に湧く湯に二十一日浸れば足は癒えるとの告げがあった。社殿を出ると三十頭あまりの猪が群れており、その一頭の背に乗ると、猪たちは湯煙の立つ山の麓まで清麿を運んだ。告げのとおり湯を浴びると足は治り、以来この山を足立山と呼ぶようになったという。
原典より
称徳天皇のころ、天皇の側に仕える道鏡という僧がいました。—— 日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。