千寿院に仕えた玉江と白玉椿
どんな伝承か
藤原種継の娘は玉江といい、安徳天皇に仕えて鷺野ヶ原の千寿院に二人で住んだ。天皇は境内の井戸のかたわらに椿が咲くのを見て種継に文を賜り、椿が八千代を寿ぎ井桁が深い契りを宿すと詠まれたという。天皇付きの浄厚尼も白玉椿の歌を賜った。天皇は二十七歳で崩じ、玉江は神子という男児を産んだのち千寿院に入って霊位を弔い、禅寿尼と号したと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。