穴森で見つかった古い蛇骨
どんな伝承か
元禄十六年十月二十日のこと、波来合の百姓である半十郎・今平・文助の三人が農作業をしていると、穴森の方から地の鳴る音が聞こえてきた。村中の者が集まって神酒を供え、その夜、松明を灯して穴の中を探ったところ、ひとつの髑髏が見つかった。相当に古い蛇の骨だと分かったので、村では評議のうえ江戸へ持参することになった。宝永二年三月二十一日には、宮地の御身分として郡奉行の吉田八郎兵衛が穴森へ来て、蛇骨を箱に納め、拝殿を建てたと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。