潮止め堤を守った農家の娘
どんな伝承か
水俣の丸島区というのは、昔は入海に浮かぶ丸い小島であった。寛文七年、深水家四代頼氏の手で、丸島から四十間塘、百間塘と呼ばれる潮止め堤防の工事が行われた。しかし古賀から塩竈神社上にかけての堤防は高潮のため、幾度も決潰した。そこで、ある貧しい農家の娘が進んで人柱になったところ、それ以来こわれなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。