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氏神への誓いで正月前に餅をつかない北里

所在地愛知県小牧市
年代伝承(数百年前〜明治)
登場—
出典愛知県伝説集

どんな伝承か

西春日井郡北里村では古くから正月前に餅をつかず、大晦日に米の粉をこねたハギシリ餅を作って雑煮に入れる。数百年前、この村に疫病が流行し、飢饉も重なって滅亡寸前に追い込まれた。村人は氏神の社前に集まり、これからはめでたい正月でも決して餅をつかないから今の難儀を救ってほしいと、村中の臼を残らず神前に集めて祈願した。すると疫病は絶え、豊作が続いた。ところが明治になって誓いを破りひそかに餅をついた者があり、村の方々で火事が相次いだ。氏神の怒りと恐れた村人は改めて申し合わせ、正月二日に村中揃って餅をつく習わしにした。臼は神に捧げたものだから、足でつく臼は失礼だとしてこの村にはダイガラが一つもない。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))

『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。

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