阿弥陀寺に咲いた茂介の枝垂桜
どんな伝承か
富久山町久保田の阿弥陀寺の境内に、目通り十尺以上もある桜の大木があったが、昭和十五年四月二日の火災にあって枯死した。この桜については「我あへる桜はのこる阿弥陀寺に千代百とせの春にあふべし」と刻んだ碑が建てられている。枝垂桜で、下は地上に触れるかと思われるほどに下がり、上は空の色に映えて見事であった。花の盛りともなれば、念仏講の老人たちが呑めや歌えやで踊り出し、年に一度の最大の楽しみであったという。本栖寺の和尚の話では、茂介は桜を日和田の蛇骨地蔵と富久山町の本栖寺・阿弥陀寺に植えたそうで、今は本栖寺にのみ残る。阿弥陀寺には二代目が植えられ、種播桜と呼ばれている。
原典より
富久山町久保田阿弥陀寺境内に目通り十尺(約三メートル) 以上もある桜の大木があったが、昭和十五年四月二日の火災にあい枯死した。—— 郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦)
福島県郡山市(旧安積郡・田村郡域、湖南・熱海・三穂田・逢瀬・西田・中田ほか各町)に伝わる伝説を、木/石・岩/水/塚/坂・峠・山/祠堂/家・村/祭礼・行事の八部門に分類して集成する。坂上田村麻呂や阿古陀媛・采女伝説・萩姫、源義家ら前九年の役の人物伝承、淵や池の主・龍神・河童、弘法大師の清水、稲荷・観音・地蔵の霊験、長者伝説や埋蔵金、隠れキリシタンなど、郡山の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を伝承地つきで網羅する。