落城の叫びが聞こえる風穴
どんな伝承か
白岩の中央にある山城の跡を風神館という。天正の頃は田村氏四十八館の要害のひとつで、久賀肥前守が構えていたが、芦名氏に攻められて一夜で落ちたと伝わる。跡地には御獄神社が祀られ、その北西一帯は安山岩がむき出しの断崖になっていて、風穴と呼ばれる穴が開いている。秋から初冬にかけて崖下の道を歩くと、穴から風が吹き出し、落城のときの人々の嘆きの声が聞こえるという。寒い風の夜ほどよく聞こえるといい、城の抜け道とも語られて、土地の者は夜の通行を嫌った。
原典より
白岩地区の中央に、山城「風神館」跡がある。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。