鶏卵を絶って治す咳の権現
どんな伝承か
白岩町の中之内地内に、昔から百日咳や喘息を治してくれる珍しい仏様が祀られている。この地域の人々は俗ににわとり権現菩薩と呼んで崇めている。二十年ほど前、ある人が子どもを白岩の老婆に子守りに頼んでいた。この子が百日咳を患って寝込み、医者に診てもらってもなかなか治らなかった。十日ほど過ぎたころ、老婆が見舞いに来て、このひどい咳を昔から治してくれる権現様に参詣するので、家族は治るまで鶏卵や肉料理を一切絶ってほしいという。その後、権現様の霊験が現れたとみえて、数日で子どもは元気になった。お礼参りには鶏卵大の石を二個、御宝前に供えたが、それが昔からの習慣だという。
原典より
白岩町中之内地内に、昔から、百日咳やぜん息を治してくれる珍らしい仏様が祀られている。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。