河童の淵に建てた北小泉の水難除け地蔵
どんな伝承か
富久山町北小泉に、天明三年、庄屋の水野忠左衛門が水難除けとして建立した地蔵尊がある。北小泉を流れる大隈川、すなわち阿武隈川の菜洗場という土手に、慈光淵、別名廻り淵と呼ばれる淵があり、おふりという十四歳の娘をはじめ近郷近在の子どもたちが水遊びに来てはたびたび水難に遭った。これは淵に棲む河童のいたずらか祟りだとして、一戸から一升ずつ米を持ち寄り、濁り酒と団子を造って地蔵尊を祀り、河童除けを祈願したという。のちに祭りは子どもたちだけのものとなり、地蔵を祀るようになってからは不思議に水難の事故がなくなったと伝えられている。
原典より
この地蔵尊は、天明三年に、北小泉の庄屋水野忠左衛門が、水難除けの地蔵尊として建立し北小泉を流れる大隈川(阿武隈川)の、菜洗場という土手に、慈光淵(廻り淵)というところがあり、この淵で、おふりという十四才の娘や、近郷近在の…—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。